『未来の医療』           田中章滋

 「あなたの頭蓋骨はだいぶ痛んでますね。いったい、どう使ったんですか?
 酷い状態です。」

 とレントゲン写真を示しながら女医が言う。

 「どうもこうも、ただただ、普通に生きてきただけですが...」と私。

 「いっそ全部取り替えてしまいましょう!」と女医。

 「え?! そんなことしたら死んじゃいますよ!」と激しく抵抗する私。

 「今の医療はとても進んでいるのです。全く心配いりません。3Dプリンター
 をご存知でしょう? 直接あなたの頭の中に、新しい頭蓋骨をプリントするのです。
 直ぐ済みます。序でに脳も駄目な箇所があるので、治しときましょうね」。

 「まあ、ドリルで頭に穴を開けられるよりいいか」と私はひとりごちた。

 そして、その場で直ぐに、私は麻酔で気持ちよく......。



セザンヌ
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