『魔鏡』 田中章滋
ある日族長の元に男がやってきた。族長は、己の縄張りを通るキャラバン(商隊)を悉く襲っては、珍らかな宝物を奪い取り、
皆殺しにしていたのであった。
男は、蜃気楼の果ての国から齎された魔鏡を、是非とも見せて欲しい、さすればキャラバン達の抜け道を密告するという。
だが、その魔境の霊力が恐くて、族長自身も魔鏡を覗いたことがないのだった。男を首実検に使ってやれ。そう思った族長は
気安く応じたのだった。
一度魔境を覗き込んだ男は、アラーの姿を見たと言い張った。
何と不遜な!それでも族長は恐かった。石打ちの刑でその男を打ち殺させ、魔鏡もろとも男の亡骸を蜃気楼の果てに捨て去ったのだった。
以来族長はアラーの姿に思い悩み、全ての偶像を禁じたのだった。
ある日族長の元に男がやってきた。族長は、己の縄張りを通るキャラバン(商隊)を悉く襲っては、珍らかな宝物を奪い取り、
皆殺しにしていたのであった。
男は、蜃気楼の果ての国から齎された魔鏡を、是非とも見せて欲しい、さすればキャラバン達の抜け道を密告するという。
だが、その魔境の霊力が恐くて、族長自身も魔鏡を覗いたことがないのだった。男を首実検に使ってやれ。そう思った族長は
気安く応じたのだった。
一度魔境を覗き込んだ男は、アラーの姿を見たと言い張った。
何と不遜な!それでも族長は恐かった。石打ちの刑でその男を打ち殺させ、魔鏡もろとも男の亡骸を蜃気楼の果てに捨て去ったのだった。
以来族長はアラーの姿に思い悩み、全ての偶像を禁じたのだった。
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