「星霊体の少年」        田中章滋

冥い星々の中庭に少年達の影が佇んでいる
彼方には馬の首座
少年達は遠い邦にその分身の肉体を持っており
手足を打ち鳴らしたり、屈伸したりして
成熟への狂おしい意志を秘めている

朽ち果てた植物園からエーテルの狼煙
薄荷や乳香、没薬(ミルラ)の
薫香が辺りに満ちる

神殿の都市では
技師達の喋る頭蓋が回転しながら天使の騒声(どもよし)
や 戦慄する美神の叫びを放送し
蟷螂の卵隗のように
群集が溢れている

柘榴の谷では夥しい血漿が流され
あちらこちらに真理の種子が露出しているが
世界は無情な天幕によって
被い尽くされ、二分され続けている

いつの日か闇の彼方に予兆の光が放たれ
少年達が結晶となってやってくる
遠ざかったり近づいたりしながら
一人の学者がその構造を確かめるだろう
だが彼には何も発見することが出来まい
それがアストラーリスだとは

地上では誰もが神で、王領は果てしない
車輪の上で殺害される聖者や巫女
ここではあらゆる光景が
エロティックな哄笑を巻き起こし
巨大な水晶球のなか
未来が龍の尻尾のように
水抹(みなわ)を散らしてのたうっている

見よ!星霊体の少年達(アストラルボーイズ)を
彼等は意志の意志
記憶の記憶、影の影
刃の沈黙のスタイルで降り立つ
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